煙草の話(過去記事)

※こちらは2020年7月に書いた文章の再掲・修正版になります。


煙草を吸い始めたのは2018年の11月に入った頃だった。
何故覚えているかというと、悩みながら推しを推し続け、そのアイドルプロジェクトの最期を見届け、息つく間もなく出番少ギャグもの2.5次元舞台が始まるというタイミングで、吸わなきゃやってられないと思いプルーム・テックに手をつけたという経緯があるから。
決して仕事の影響ではないとは主張しておきたい。私は煙草を吸うつもりはなかったし、憧れを抱いたこともなかった。

2019年の12月から紙煙草を併用するようになり、今は部屋の中など煙を出せない時は電子、吸える時は紙と使い分けている。
ちなみに私は喫煙者だけど煙草の煙と手につく匂いは嫌いだ。マナーを守らない喫煙者も嫌い。

自粛生活が続き大半を家で過ごす今、メインの煙草は電子になっている。最寄駅には喫煙所がなかった。その他家から歩ける場所にもなく、ベランダや玄関先でふかしていたら親に激怒られしたため頻繁には紙煙草を吸えなくなった。

紙煙草に慣れてしまうと電子ではどうしても物足りなくなる。成分的にはニコチン欲をセーブはできるが吸った満足感が劣る。そして紙よりコスパが悪い。延々と咥えて吸い続けてしまえるのも悪い点で、多少ニコチン摂取量を抑えられること以外に紙煙草が吸える環境で電子を選ぶメリットは特にない。

喫煙で得られる満足感は一定ではない。タイミングや環境など色々な条件が噛んでくる。酒やコーヒーと共に摂取する、起床直後に吸うなど。間隔を空けるほどヤニクラを起こす確率は高くなり、「キマる」という感覚は強くなる。

大学時代は授業の合間にオリンピック政策に伴い数の減った喫煙所まで歩き、精神をリセットするのが習慣になっていた。後半は特に。広大な敷地内で高い空の元煙を蒸すのは気分が良かった。外で吸う煙草が1番いい。
店に出勤する際はほぼ必ず到着してまず一本吸っていた。しばらくの間吸えなくなる可能性が高いしストレスを溜めたままにすると接客のコンディションに関わるからだ。卓についた後もほぼ必ず吸っていた。クソ客の相手を長時間した後のヤニが1番キマったのを今でも覚えている。
掛け持ちしていた片方の店は卓についている間も客に許可を取れば喫煙が可能だったため、親しみのある客と煙草を片手に酒を飲み色々な会話をしたものだった。今思えばそれなりに楽しかったし、喫煙のシチュエーションとして悪くないものだったなと思う。煙草がコミニュケーションのきっかけになることもある。銘柄が同じだと親近感が湧くし、喫煙者でしか分かり合えない話ができることが有利に働くこともあっただろう。

親が寝静まった深夜にこっそりベランダに出て夜空を見上げながら虚空に向かって煙を吐くのが今は1日の褒美というか、ポイント設定みたいなものだ。それも悪くはないけど時々虚しくなることがある。

煙草1つにも色々シチュエーションや文化物語があるよね、という話でした。
こんな文章を書いていたらヤニ欲が増してきた。

※この文章は喫煙を推奨するものではありません。今吸ってないなら絶対吸わない方がいいよ。